脱毛症とは、毛髪が拔け落ちる、数が少なくなる、あるいは短くなる現象を言うが、頭髪のみでなく、眉毛、ひげ、体毛、陰毛などの脱落も含む。臨床上、局部の皮膚は正常で、自覚症状がないまま毛髪が突然に脱落するのは、よくある病症である。原因は過度疲労、自律神経失調症、精神的なストレスなどによって起こると考えられている。
東洋医学では、髪と腎とは密接な関係があり、また「血の余」とも言われて、血液との関係も密接です。原因および症状によって、四つに分類される。
①「血熱による脱毛」
辛味が好きで、精神的刺激により心火が盛んになり、陰血が損耗し内風が生じる。
②「於血によろ脱毛」
精神的刺激により気滞血於が生じたり、長患いにより血が停滞して血行が悪くなり、毛髪に栄養が行き届かなくなる。
③「気血両虚による脱毛」
慢性疾患や重病などにより気血が虚し、毛髪がうまく栄養されなくなる。
④「肝腎陰虚による脱毛」
肝腎陰虚により陰血が不足し、毛髪がうまく栄養されなくなる、または陰血が不足で、燥が生じ安く、これが血燥となることにより脱毛が起こることもある。
分類①と②は実症で③と④は虚症である。治療としては、実症の場合は、涼血息風、活血化於を原則として治療し、虚症の場合は補益気血、滋肝補腎を原則として施術する。
ある40代の女性は去年から円形脱毛した、育毛剤などの治療したがなかなか髪が出なかった、去年12月に来院しました、検査すると頭頂部、後頭部、側頭部、全部で5か所ありました、直径は2~5cm、不眠症、多夢もあります、舌尖部が赤い、虚症と診断しました、1ヶ月間半の鍼灸治療で、完治しました。
Comments